2016年10月23日日曜日

サンタカベルン

ザクっ味わい→苦渋味がバランス良く感じられます。
                     これぞ食中酒!!           
                 合わせたい料理は、肉料理全般。
           煮ても、焼いても問題なし。レバーもいいね^^
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   ビーフステーキ                           ローストポーク  
「飲んでから売る」が基本です!と、鼻息も荒く書いている通り、
このワインも試飲会で、飲んでから仕入れております。
(試飲会画像は無いんですけどね~^^)

過去には、価格とセパージュだけで仕入れて、
すべて自家消費の憂き目にあったワイン、けっこうあるんですよね。
だって、美味しくないのって、売れませんよ。
なんでって、お客さんは、サイトに上がってる情報しか知らないんだし、
前に買って、飲んでみて美味しかったから、今回も美味しいであろうと
信用して買って頂いてると思うんですよね。
実は、これが一番大事なんですよね。

いやーやっと試飲画像が撮れました^_^
このワインは、京都の大人の酒場、 じじばば さんで
使ってもらってたフランスのラングドックの赤が
輸入されなくなるんで、インポーターにある在庫を
全量おさえて、在庫のある間に、次のワインを探しましょう!
と言ってみたものの、条件がキツイんですよね。
七転八倒の日々でした、はい。

月日が流れ、色々ワインを試飲して、
やっと辿り着いたのがこのワインなんですよ。
ボトルの商品画像にカーソルを合わせると、
試飲にかこつけて、オクサマと飲んでる画像が出ます。
以下は、飲んでみたコメントです。

昨夜のオクサマとの呑みは、
ベビーホタテのアンチョビ+ニンニク風味です。
オリーブオイルを敷いたフライパンに
ニンニクとアンチョビを入れ、
焦がさない様に香りをだしたら、
ホタテとレンチンして火を入れたアスパラを投入し、
全体がなじんだら完成。

合わせたワインは、
京都駅前の大人の酒肴屋「じじばば」さんで
新しくグラスワインに取り上げてもらってる
サンタアリシアのカベ・ソーです。
「赤ワインは重たいのが美徳」という価値観じゃなくて、
軽やかで、次に繋げるスターター。
でも、水っぽいのはダメ。
実はなかなか難しいのです。
果実味を引き締める果皮由来のタンニン。
ここにアンチョビ+ニンニクの風味が絡みます。
上出来なワインです。

飲食店での「先ずは、一杯」の重責を担う
グラスワインなんですよ。
重くても、軽くてシャバいのもだめ。
目立たなくても、目立ちすぎてもダメ。
なんとも難儀なポジションなんですよね~
でも、もうかれこれ2年の月日が経ちます。
今や不動の地位を築きあげていますね。
ホント、いいワインと出会いました^^

サンタメルロー

んでからる」がキホンです!!
商品画像にカーソルをあわせると、試飲画像がでますよ~
ザクっ味わい→濃厚で、苦渋味そこそこです。
    なかなかのボディ感飲み応え最高!
合わせたい料理は、
         トマト味の煮込みや、ミートソース、
        にんにくの効いたグリルもいいし 、
        お肉関係には、料理法を問わず合うかな~
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  煮込みハンバーグ                   ラザニア  

  牛スジ煮込み                            スペアリブのグリル
同じブランドのカベルネソービニオンは、
じじばばさんでかれこれ5年かな?これのカベルネを
グラスワインとして売ってもらってます。
カベルネは、チリのワインらしい果実甘さを程よく感じるワインです。
メルローについては、
一格上のレゼルバクラスをじじばばさんで売ってもらってます。
レゼルバの、いわゆるメルローっぽい土臭いドテっとした味とは間逆の、
大袈裟でなく、シルクの風合いを思わせる滑らかな味わいを知ってるんで、
そこからの想像でこのワインの味わいを思い描いてました。
しかし、その想像は、大きな音を立てて崩れさりました。
まぁ驚きのボディ感なのです。

こんな色合いです。
香りは、甘さを含んだカシスを思わせる強い香りです。
注いで即の空気と全く触れ合わせてない状態で口に含めば、
シラーズの印象に近い「ギュっ」と凝縮された果実感です。
赤い色を感じる味わいです。
それも、奥に暗闇を感じる深さの赤なのです。
タンニンとミネラルは、赤い果実の奥に隠れてる感じですね。
グラスをスワリングして、ワインを開かせて行くと、
この印象も、シラーズと酷似してますが、
果実の奥に隠れていたタンニンとミネラルが、
ぐわっと音を立てて、赤い果実を押し退けて前に出てきます。
何とも分厚いボディ感なのです。
更にスワリングを続けると、
物凄いボリュームだったタンニンとミネラルは、
芳醇な紅茶の渋に姿を変えています。
闇を感じる果実→活火山を思わせるタンニンとミネラル→芳醇な紅茶の渋。
何ともドラマチックな味わいの移り変わりが楽しめました。
合わせて頂きたいのは、
脂がパチパチ言ってるステーキや、甘辛い焼肉なんかですね。
絶対ワインが負ける事はないでしょう。凄いコスパですわ。

2016年10月6日木曜日

神吉って?+肥料が土壌に残ってると、ヤバい!?

そう、京都の人でも読めない方いてるんで、
少々説明を。
神吉で「かみよし」と発音します。
環境的には、高原の盆地です。
盆地ゆえ、夏場の気温は楽に
30度を超え、
高原なので、熱帯夜が無いんです。
CA3G0615.jpg
赤でポイントが入ってる神吉小学校の前が
神吉盆地です。小ぢんまりした盆地でしょ^^
この画像は、現行販売分の刈取り前です。

よく寒暖の差が大きいと
おいしいお米が取れるんです。

と、お題目の様に言ってますよね。
さて、ホントのトコ、どうしておいしいの?

稲は、8月初旬に穂が出ます。  こんな感じです。
20110910_2558823.jpg 
梅雨が明け日差しが強くなり始めるこの時点で、
上への成長が完了していることが前提です。

つまり、土壌に含まれる肥料成分が使い切られて
発穂している事が重要なんです。

これについては、あとで説明します。

豊かに充実した葉が、
「盆地」ゆえの、
昼間の30度を優に超える強い日差しを受けて、
活発に光合成をして養分を多く作り出します。
葉で生成された養分を、
種であるお米に移さなければならないんですが、
稲は25度以下にならないと
活動を止めないんです。
神吉は高原なんで
普通に真夏でも夜間は20度くらいまで
気温が下がり、
養分を効率よくお米にため込むわけなんです。
寒暖の差と言うより、本質的には
「昼間30度を超えて、夜間は25度を下回る」
という意味なんですね。

untitled.jpg
航空写真だと イマイチ分かりにくいんで
再度説明^^当店のお米は、松崎さんと、
石橋さんって契約農家さんが作ってくれて
ます。上の略図ですと、赤のポイントが石
橋さんの田んぼで、青野が松崎さんの田ん
ぼです。

神吉盆地は、江戸時代に沼だった所から、
水が抜かれて農地になったそうです。

盆地の真ん中にある石橋さんの田んぼは、
100mを超える深さで泥の層があるとの
事です。対して、松崎さんの田んぼは、盆地
の端っこに位置してまして、泥の層が薄いん
です。

同じ農法で、同じコシヒカリを造ってもらっ
てるんですが、石橋さんのお米は、ねばりも
強く、味わいも濃厚なんです。

松崎さんのお米は、比較的アッサリして味わ
いで、ねばりもそんなに強くありません。

当店のお米は、個性的なお二方のお米を正確に
半々で混ぜ合わせて販売しております。


先ほど書いた、
「土壌に肥料分を使い切る事が重要」
についてなんですが、
お米の旨味は、葉が光合成で作り出した
「養分の旨味」なんですね。
もし、稲の上への成長が完了して
発穂してもなお土壌に肥料分が大量に
残っていたら、根っこから残留している
肥料分を吸い上げ続けるんですね。
夜間気温が下がって稲が活動を止めたら、
稲に吸収された残留肥料成分は、
ダイレクトに種であるお米に蓄積します。

つまり、
稲の茎や葉脈を育てる窒素系肥料成分が
種であるお米に蓄積するんです。

肥料とは元来窒素系化合物で、
製法が科学的であれば、化学肥料ですし、
家畜の糞等をバクテリアで有機発酵させる
有機肥料も製法が違うだけで、
同じように窒素系化合物なんです。

お米の重量を増やすだけなら、
土壌に多く残留肥料成分を残して、米粒にダイレクト
溜め込めばにいいわけなんです。

ただし、お米の味が苦くなり
食べた人体に化学成分が
蓄積す事になります。

洗えば落ちる残留農薬より
食べれば蓄積する残留肥料の方が
問題は大きいと思います。

 20110613_2408422.jpg
これは、田植え直後の肥料過多のたんぼです。
化学肥料のやりすぎで
浮き草が大量に発生しています。
これだと、肝心の稲に栄養が行かないんで、
農家は何回も施肥をするという悪循環になり、
稲にも余った肥料がどんどん蓄積すると言う
最悪の状態になってしまいます。

これ、同じ神吉地区の別の農家の話です。

どこで作るかは、環境までの話であって、
結局、誰が、どういう考えで稲作をするかに
かかってきますよね。

残留肥料の問題に続き、稲作の根本的な価値観
「細植え」については、こちらをご覧ください。
結構根が深かったりします。

太植えと細植えのオハナシ

こちらでは田植えにスタイルについて書い
てます。要するに田植えの際に苗のひとま
とまりを何粒のお米で構成するのか?って
事です。当店の契約農家さんは3粒で種も
みで構成しています。通常は、6粒ほどで
ひとまとまりになっています。つまり、
準より「細く植えて」もらってるんです。

IMG_4984.JPG
石橋さんの田んぼです。例年通りひとつの
苗を構成する米粒は3粒です。

IMG_4985.JPG
松崎さんの田んぼです。
石橋さん同様、苗のひとまとまりは、3粒
す。通常が6粒でひとまとまりのところ
を、半分の3粒にしているのは、足元を細
くして、風通しの良いたんぼにするためで
す。

さて、細く植えるのと、太く植えるのと、
何が具体的に「どう違う」かですね。
ACA3K1564.jpg
こちら、太く植えられた近所の稲の根元です。

IMG_6157.JPG
契約農家さんの根元はこんな感じです。
隙間が広くて、風通しが良く、イモチ
病にかかりにくいんで、農薬散布が要
りません。実際に行われる農薬散布は、
地域単位で行われる「集団防除」で、
ラジコンヘリが一度だけアミスタート
レボンSEという薬剤を一度っきり散
布するにとどまります。対して、太く
植えてあると、恒常的に農薬の散布が
必要となります。ただ、倒伏しやすい
こしひかりを、ほぼメンテフリーで育
てられるのが楽でいいんですよね。で
も、肥料は多く使うし、農薬も、けっ
こう撒かねばなりません。

当店では、安全性の観点から、手間のか
かる細植をしてもらってます。

 では、細く植えるとどうなるか?です
が、細いと、倒伏のリスクが高まります。
倒伏を回避するには、たんぼに生えてく
る雑草や、水草をこまめに除去する必要
が出てきます。その為田んぼに入る回数
も増えてきます。田んぼに入る回数が増
えると、泥が撹拌され、地中に酸素が供
給されます。こうなると、根っこが元気
になって、地中深くに根を張ってくれま
す。根っこが元気になると、稲は、分ケ
ツを繰り返して、足元細く、V字型に育
ってくれるんです。ただ、農作業は増え
るんですけどね。

お米は八十八手間なんて言いますが、ま
さにその通りなんですよ。農家の「手間」
がかかってるんで、安全でおいしいんです。